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各局の4月改編の動向とは

 各テレビ局の4月の番組改編が発表された。この時期に各局がタイムテーブルを見直すが、昨年4月は王者・日本テレビの日曜夜に代表された理想的な“タテ編成”を意識したものが目立った。その日本テレビは、小幅な改編だが、より“タテ編成”を強化。一方、今回の改編では、テレビ朝日の大改革を中心に、「週末」と「ドラマ」を改編したタイムテーブルから、各社の編成方針が読み取れる。

2017年春・各テレビ局の改編率を図で解説

◆「週末」と「ドラマ」を改編したタイムテーブルから読み取れる各局の編成方針

 4月改編のテレビ番組は、テレビ朝日の改革を中心に、「週末」と「ドラマ」を改編したタイムテーブルから、各社の編成方針が読み取れる。注目は、テレビ朝日が土日21時に新設する1時間のニュース情報番組『サタデーステーション』と『サンデーステーション』だ。テレビ朝日の西総合編成局長が「『報道ステーション』が好評をいただいているなか、報道のニーズを受けて、月曜から日曜まで帯ニュースを並べた。ダイナミズムある独創的なタイムテーブルになる」と説明するように、他局にはない報道を基軸にした方針が打ち出された。

 対照的なのが、好調に推移しているTBS。「地に足を」をテーマに今回は大きく流れを変えない方針だ。2016年上期は、ゴールデン帯の平均視聴率が9年ぶりに民放で2位(タイ)を獲得。下期は社会現象にもなった新垣結衣主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のヒットがあったことが背景にある。また、フジテレビは苦戦を強いられているが、昨年大幅に改革したタイムテーブルの流れをそのままに、新作のドラマやバラエティを投入する。

 圧倒的な強さでトップを走り続ける日本テレビは今回も小幅な改編だが、土曜21時の「土曜ドラマ」と、22時の『嵐にしやがれ』の入れ替えを実施する枠の移動がポイントになる。19時の『天才!志村どうぶつ園』から『世界一受けたい授業』、『嵐にしやがれ』までバラエティ番組で3時間の強力フローを完成させる狙いだ。さらに、激戦の火曜もテコ入れし、水曜の『ザ!世界仰天ニュース』を火曜21時に移動させ、『踊る!さんま御殿!!』からのフローを意識したものになっている。

◆「タイムシフト視聴率」を意識した視聴習慣に合わせた編成替えも目立つ

 一方、ドラマの枠移動や新設は変わりつつある視聴習慣に合わせたものが多い。テレビ視聴率を調査しているビデオリサーチが、昨年10月3日より関東地区の900世帯でタイムシフト(録画)視聴の測定(タイムシフト視聴率)を開始。この「タイムシフト視聴率」など、リアルタイム以外にも視聴された数字が可視化されている影響ともいえる。日本テレビは「枠移動する「土曜ドラマ」をはじめ、各ドラマのコンセプトを再設定し強化を図る」と説明し、テコ入れを図る。また、30周年を迎える「月9」や2年目に入る「オトナの土ドラ」などをラインナップするフジテレビも継続を意識している。

 このほか、テレビ東京は木曜深夜にドラマ枠を新設し、Netflixでの先行配信で、RADWIMPSの野田洋次郎主演の『100万円の女たち』を投入する。ドラマ視聴方法の多様化を象徴する枠だ。さらに、ゴールデン帯でテレビ朝日の「土曜ワイド劇場」とテレビ東京「水曜エンタ」の枠が終了する動きもある。レギュラーの長尺ドラマは時代のニーズに合わなくなりつつあるという判断がそこには見える。そんななか、テレビ朝日が平日12時30分から新設する「帯ドラマシアター」は、「シニア層向けのシルバータイムを作るべきでは」と脚本家で演出家の倉本聰が提案したことをきっかけに作られた枠。『徹子の部屋』とのセット視聴を狙い、リアルタイム視聴の流れを意識した編成になる。その結果、改編率はテレビ朝日がどの区分も高くなっている。軸足は報道かバラエティか、それともドラマなのか……各局の戦略の違いも読み取れる4月の番組改編になった。

(文:長谷川朋子)

(コンフィデンス 17年3月13日号掲載)

(提供:オリコン)
2017/3/9 08:10 配信

大幅な改編を行ったテレビ朝日 (C)ORICON NewS inc.
大幅な改編を行ったテレビ朝日 (C)ORICON NewS inc.