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KICK THE CAN CREW復活の理由は?

 テレビ朝日の『フリースタイルダンジョン』が若い世代を中心に話題になり、CMにもラップ調の曲が使われるなど、人気が再燃しているラップ。そんななか、2000年前後のブームの立役者ともいえるKICK THE CAN CREWが、14年ぶりに復活を果たした。アルバム『KICK!』はオリコンアルバムランキング3位、デジタルアルバムランキングでも2位と好調。3人が復活の意図、そして活動休止前の状況も語った。

【動画】14年ぶり、3人が健在ぶりを見せた新作映像

◆商業ベースに乗っていた14年前、復活後は「自分たちの意思で」

 2001年にデビューしたKICK THE CAN CREWは、「クリスマス・イブRap」、「マルシェ」など多くのヒット曲を放ち、2002年には『NHK紅白歌合戦』にも出場。RIP SLYMEらとともに、当時のラップブームを牽引する存在となった。ところが、デビューから約3年後の2004 年には、早くも活動休止を発表。それ以降は、各々がソロ活動を行ってきた。グループ休止から、実に14年。ともにロックフェスに出演することはあった彼らだが、本格的な復活を考えたきっかけは、タイミングと活動の方向性にあった。

 「2014年に『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出演した後、『このまま制作に入らないのかな?』という空気をスタッフから感じ取ってはいたんです。ただ2017年がKICK THE CAN CREWを始めてから20年だということに気が付いたので、2016年1月から1ヵ月に1曲のペースで制作を始めて、2017年にリリースすれば結成20年でちょうどいいんじゃないか、という気持ちがあって、今回のタイミングになりました」(KREVA)
 「このまま3人でライブに出演し続けていたら、『こいつら曲はもう作らないのかな?』と思われるかもしれない。だから、『やばい! 曲作らなきゃ』って(笑)」(LITTLE)

 今回のアルバム『KICK!』について、「ただ、やれと言われて作った曲の取材だと、何を聞かれても『やれと言われたので』としか答えようがないんですよね(笑)。そういうのが面倒くさくなってくると、今度は嘘をつき始めるでしょ。それは絶対にやりたくなかったから、今回は自然にリリースすることになって良かったなと思います」と、かつての経験を踏まえて語ったKREVA。以前は、「商業ベースに乗って」活動することに、ジレンマもあったようだ。

 「例えばレコード会社のスタッフから『○ヶ月連続でリリースすることが決まったから』と言われたりして、そこに乗っかっていくしかないんですよね。自分たちの意思と関係ないところでやることが増えてくると、変な方向に行っちゃうのかなという思いはありました。でも今回のアルバムは自分たちの意思で決めたことだし、3人で出したアイデアや話し合いの元に生まれたものなので、自信を持って聴いて欲しいと言えます」(KREVA)

◆フリースタイルバトルにCM、再びのラップ流行への思い

 この14年の間に、日本の音楽シーンも大きく変化した。KICKが活躍した当時のラップ、HIP-HOPブームは消えることなく定着し、多様なJ-POPのジャンルの一つに。そんな下地がある中での最近のラップブーム再来についてはどのように受け止めているのだろうか。

 「オレはフリースタイルをやらなくなってから久しいので、そういうシーンが盛り上がっていても、そこにコミットしようとは思ってないです。でも、ラップのシーンで人気者が増えていけば、自然とオレたちがやっていることが伝わると思うんですよね。『韻を踏むってそういうことなのか』とか、ラップをやる上でのルールを知ったうえで『あ、ここも韻を踏んでる!』と気付く人が増えたら面白いなと思います」(KREVA)

◆20代の頃は「斜めからものを言う感じはあった」

 久々のアルバム『KICK!』は3人で制作。お互いの変化は特に感じないが、3人で楽しく、真剣に向き合って作った曲が収録された本作は、「今までで一番良いアルバムが出来たと思う」と胸を張る

 「UL(MCUとLITTLEによるユニット)で活動していたときも、1stアルバムをKREVAがプロデュースしてくれたんです。それで復活前から3人でスタジオに入ったりしていたから、今回はそういった経験もあって、よりスムーズに楽しくできたと思います」(MCU)
 「みんなでいろんなアイデアを出しながら作るんですけど、自分1人だったら「この言葉でサビにいかないだろう」と思うことも、3人でいると、面白いと思った言葉には誰かがOKを出してくれる。そんな環境なのが良いなと改めて感じました」(LITTLE)

 とはいえ、メンバー全員が40代となった今、20代の頃とは、意識や使うフレーズに変化もあった。
 「20代の頃は自分の言葉に説得力が持てなかったり恥ずかしかったり、斜めからものを言う感じはあったと思います。でも最近は、わりとストレートな物言いができるようになったというか、したいと思うようになりましたね」(LITTLE)
 「オレはよく“そう”という言葉を使っていて、最近はそれが減ってきたんです。ということは、遊び心を忘れているのかもしれないなと思えてきて…(笑)」(MCU)
 「それは遊び心じゃなくて、その場しのぎじゃない?(笑)。“この先も…そう!”ってフレーズ、よく使ってたよね!」(KREVA)

 アルバム発売後、9月7日には『復活祭』も行う彼ら。今後も、マイペースかつ自分たちの意思を反映した活動を考えている。
 「今回は良いペースでじっくり考えて曲を書いて、さらに整理する時間が持てたから良かったなと思っているんです。これからも月に一度3人が集まれば何かしらのアイデアは出てくるので、自分たち発信でやっていけたらいいですね。3人が面白いと思ったらやってみるというような、なるべくワチャワチャしながら自然と生まれてくる面白いものをみんなに届けられたらと思います」(KREVA)
(取材:奥村百恵)

(提供:オリコン)
2017/9/6 08:40 配信

本格的な復活を果たしたKICK THE CAN CREW 写真:鈴木かずなり(C)oricon ME
本格的な復活を果たしたKICK THE CAN CREW 写真:鈴木かずなり(C)oricon ME