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藤田晋社長が語るドラマへの自信

 昨年11月に稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾が出演して大きな話題となった『72時間ホンネテレビ』。2017年の芸能界を代表するニュースとなったこの番組を放送したインターネットテレビ局「AbemaTV」の知名度も、飛躍的にアップすることになった。この番組のほかにも『亀田興毅に勝ったら1000万円』など世間からの反響の大きな番組や、若い世代をターゲットにした画期的な番組を次々と放送している。

【場面写真】AbemaTV初のオリジナルドラマ『#声だけ天使』

 そして、今月15日からはついに完全オリジナルドラマ『#声だけ天使』がスタートする(毎週月曜 後10:00)。このドラマのエグゼクティブプロデューサーを務めた藤田晋・AbemaTV代表取締役社長に、本作へのこだわりと狙いについて聞いてみた。

■放送サービス普及に欠かせないドラマ 手間と時間をかけ“らしさ”を追求

 『家政婦のミタ』や『半沢直樹』などの超話題作はテレビ局の情勢を大きく変え、アメリカでは『ハウス・オブ・カード』がNetflixの加入者増加に大きく貢献するなど、ドラマは放送局(サービス)にとって欠かすことのできないコンテンツである。藤田氏も2016年春の開局当初からサービスの普及のためにドラマ制作を計画していたが、バラエティーやニュース以上にかなり慎重に考えていた。

「地上波のテレビ局が『ヒット作を作ろう!』と必死になって各クールにたくさんのドラマを作るけど、ヒットさせるのは難しい。そんななかで後発のAbemaTVがやみくもに作っても勝算は低いし、地上波と同じことをやろうとしてもただの劣化版になってしまう。なので、しっかりと準備ができてから取り組みたかった。具体的に動き始めたのは17年初頭からでした」

 満を持してスタートする本作は、今や地上波で見る機会が少なくなった“若い登場人物たちによる恋愛ドラマ”だ。若年層がテレビから離れ、地上波では刑事モノや医療モノなど“お仕事ドラマ”が一般的になっているが、テレビよりもスマホを長く見る若年層をターゲットにしているAbemaTVは、いま地上波が手を付けないテーマに取り組んだ。そして、藤田氏が最もこだわった脚本は、自らさまざまな舞台へ足を運び、「いま、脚本家として一番素晴らしい方のひとり」と感じた「劇団扉座」座長の横内謙介氏、監督は「若い人の理想を崩さない美しさを表現できる監督」として、Netflixの日本初制作ドラマ『アンダーウェア』などを手掛けた尾形竜太監督にオファーした。

「お二人ともかつてテレビドラマをやっていたが、様々な人たちの意見や都合で理想とするものが作れず、窮屈な思いをしていた。これでは死んでも死にきれないだろうと考えて、僕はエグゼクティブプロデューサーとしてスタッフが全力を発揮できる環境を作るので、『心から納得できるドラマを作ってください』とお願いしたんです。キャストは事務所の政治や忖度を一切無視して、イメージに合う人をすべてオーディションで決めたので、有名ではないかもしれないけど若くて実力のある人が集まりました」

【※】横内氏は『スーパー歌舞伎IIワンピース』や『HKT48指原莉乃座長公演』などを手掛けた演出家でもある。尾形監督は、『Shall We ダンス?』などで知られる周防正行監督から推薦された人物。

■クオリティーには絶対の自信「これを見たら、地上波のドラマは見られなくなるかも知れない」

 一般的に新作ドラマが発表されると、多くの人が注目するのは“キャスト”だろう。しかし『#声だけ天使』は、藤田氏が「特に誰が出ているわけではないです(笑)」と言うほど、世間的に有名な俳優は出ていない。キャストの名前で勝負するのではなく、純粋な作品の質で勝負に挑むため、監督には納得がいくキャストが見つかるまでオーディションをやってもらった。そして、ストーリーに一貫性を持たせるため撮影前には全脚本を完成させ、すでにすべての収録も終えている。こだわりが込められた第1話の感想として、藤田氏は「こんな映画のような作り方をしたドラマを見たら、今後は地上波のドラマは見られなくなるんじゃないかな」とクオリティーに絶対の自信を見せた。

 具体的な数字の目標を聞いてみると「現時点では立てづらい」と率直に明かし、「それも地上波から見たら、羨ましいところだと思います。視聴率はいいプレッシャーにもなるけど、それによってやれることが制限されたり、無駄に酷評されたりする」。『#声だけ天使』は数字の追求ではなく“AbemaTVとしてドラマに取り組む姿勢”を示す作品になったようで、「このドラマを見ることで、ウチでドラマを作りたい人、出たい人が増えると思います。若い才能が集まってくれたら必然的にいい番組が作られていくので、才能が集まるテレビにしていきたいですね」と意欲を見せている。

「ウチの社員はテレビを見なくなった世代が多いのですが、Amazonプライムの『バチェラー』などリアリティーショーの話をよくしている。昔はテレビドラマが話題の中心だったのに、今は視聴率が見込めないので、地上波テレビでは若者向けのドラマが作りにくい状況になった。それは、こんなにも視聴率で世の中からジャッジされると仕方ないかもしれない。だからこそ、我々は明確に若者をターゲットにして番組を作っていき、AbemaTVドラマのことを学校や職場で話す時代になることを目指します!」

 最後に、ドラマに情熱を燃やす藤田氏にかつて好きだったドラマも聞いてみた。「学生の時にはドラマをよく見ていて、『あすなろ白書』や『東京ラブストーリー』、『愛という名のもとに』など自分たちと同世代が主人公の作品が印象に残っていますね。最近もNHKの朝ドラなどよく見ていますし、好きだったのは『半沢直樹』です」。

◆AbemaTVオリジナルドラマ進出記念作品『#声だけ天使』
 アニメの聖地、東京・池袋を舞台に、声優に憧れ上京してきた主人公・ケンゾウと同じ志を持つ4人の仲間の、友情と純愛、挫折と希望を描く青春群像劇。夢追う若者の葛藤や想い、また純愛へのひたむきさといういつの時代も人の心を動かすテーマに、声優という現代の人気職業の切り口と、“声”や“言葉”の力というエッセンスを入れ、若者のリアルな姿を映し出す。

 主人公・ケンゾウを演じるのは、約1000人のオーディションの中から選ばれた亀田侑樹。そのほかのキャストは、佐久本宝、松本妃代、久ヶ沢徹、山口景子、仁村紗和ら。ゲストとして野沢雅子、神谷明、千葉繁、田中真弓、豊永利行、森久保祥太郎、小野賢章、内田真礼ほか第一線で活躍する声優16人が各話に出演する。

(提供:オリコン)
2018/1/2 06:00 配信

AbemaTV初のオリジナルドラマの狙いを語った藤田晋・代表取締役社長 (C)ORICON NewS inc.
AbemaTV初のオリジナルドラマの狙いを語った藤田晋・代表取締役社長 (C)ORICON NewS inc.