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志尊淳の需要拡大の理由とは?

 現在放送中のNHKドラマ『女子的生活』、日本テレビドラマ『トドメの接吻』に出演する志尊淳。現在放映中の映画『探偵はBARにいる3』への出演をはじめ、4月放送スタートの朝ドラ『半分、青い』(NHK総合)への出演や、お父さん犬が出演する人気のソフトバンクCMへの出演も決定しており、破竹の勢いで活躍の幅を広げている。志尊が、俳優として需要を拡大させたワケとは?

【写真】モデル並みに美しい! トランスジェンダー役の志尊淳

◆戦隊ヒーローで知名度上昇 今では性別を超えた役が増加中

 志尊淳はワタナベエンターテインメントの若手俳優集団D-BOYSおよびD2のメンバー。2.5次元の舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』の向日岳人役で俳優デビューし、2014年、『烈車戦隊トッキュウジャー』の主演・ライト / トッキュウ1号役を務めて話題となった。その後も、女子高生に人気の少女コミックが原作の映画『先輩と彼女』(2015年)など、2.5次元的な“イケメン俳優”としての“いかにも”な活動が多かったが、同年に放送された月9ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん』(フジテレビ系)では、お坊さん役に挑戦。坊主姿を見せるなど、俳優としての気概を見せた。

 そして今年、『女子的生活』では、トランスジェンダーでレズビアンという複雑な設定の男性を好演。さらに先輩・エイト(山崎賢人)の後輩ホスト・小山内和馬を演じている『トドメの接吻』では先週、エイトのことをずっと好きだったと告白するシーンが放送され、『半分、青い』でも、少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のアシスタントでゲイ役の藤堂誠で出演する。申し合わせたかのように、性別を超えたキャラクターを多く演じているのだ。

◆年々増加する女装男子と、LGBTを扱う作品 男性俳優が女性役も

 そもそも、ドラマをはじめ、映画や舞台でもLGBTや女装趣味のある男性、はたまた女性役を男性俳優が演じるパターンが2015年あたりから多く目につき始めた。例えば、『5→9』で当時14歳の高田彪我が、学校に女子制服で通う“男の娘(こ)”を好演。昼ドラ『別れたら好きな人』(東海テレビ)では、女装したチュートリアル・徳井義実が謎の女子アナ・小園真理恵役でゲスト出演した。また、ややニュアンスは違うが、松岡昌宏が女装した2016年のドラマ『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)もこの流れだろう。

 もちろん以前にこれらがまったくなかったわけではない。「慎吾ママのおはロック」の香取慎吾、スマホゲーム「キャンディーソーダ」のCMで女子高生の扮装をして“キャンジャニ∞”としてCDデビューまで果たした関ジャニ∞など、片鱗はあった。ほか女性役を男性俳優が演じるパターンでは、舞台『クラウドナイン』の三浦貴大、舞台『ヴェローナの真摯』溝端淳平。男性俳優がトランスジェンダー役を演じるパターンでは、映画『彼らが本気で編むときは、』の生田斗真、ドラマ映画『ハイヒール革命!』の濱田龍臣。

 今クールでも、『海月姫』(フジテレビ系)で瀬戸康史が女装男子役を。またWOWOWの『バイバイ、ブラックバード』では城田優が女性の繭美を演じている。これらは昨今の、ジェンダーレス男子の広い活躍や、LGBTへの認知度・理解度の上昇が理由に考えられるだろう。さらに漫画などに登場していた個性的なキャラクターを実写化することが増えたのも要因の一つ。いわゆるBLや“腐女子”というネット発の言葉が世間に浸透するなどしたことも、まったく無関係ではあるまい。性別にとらわれないという個性は今後もっと浸透していくだろう。

◆性別を問わず真摯に向き合い演じる俳優として成長

 『NHK 100分de名著 シェイクスピア ハムレット』(NHK出版)によれば、イギリスの劇作家・シェイクスピアが活躍していた時代、基本的に女性は出演せず、女性役もすべて男性が演じていた歴史があるという。オフィーリアなどのヒロイン役は、声変わりする前の少年が演じていたとされ、名古屋大学出版会の『性を装う シェイクスピア・異性装・ジェンダー』(スティーブン・オーケル著)には、女性が男装をしている役柄でさえも、男性が演じていたとの記述もある。この伝統を受け、2003年には野村萬斎ら出演者全員が男性の『ハムレット』をロンドンで上演。地元紙でも評判を得ていた。

 これは何も海外に限った話ではなく、日本でも歌舞伎などは、女性役は基本男性。つまり、そもそも男性が女性を演じるのはとくに奇異な現象ではないのだ。坊主頭も来い、女装役も来い、トランスジェンダーも来い…カッコ可愛い容姿もさることながら、寧ろ彼こそ当時のシェイクスピア俳優のような“伝統的な役者”と解釈することも出来る。

 女装・ゲイ・トランスジェンダーを演じると、どこかしっくり来てしまうのも彼の強み。トランスジェンダーのみきの役作りの過程について「内に秘めている女性性を探すという作業でもあり、自分とは何か他者とは何かを考えるまでに至りました。今までアタマでしかわかろうとしていなかったことが、実感としてわかったことは大きかったです」と語っている。多様性が世間に認識され始めた今だからこそ、役に真摯に向き合い 「マイノリティでも何でも来い」の志尊淳の活躍に期待したい。

(文/衣輪晋一)

(提供:オリコン)
2018/1/21 08:40 配信

様々な作品へ需要拡大中の志尊淳 (C)ORICON NewS inc.
様々な作品へ需要拡大中の志尊淳 (C)ORICON NewS inc.