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アイドル飛躍のカギはMC芸人にあり

 今もっとも勢いがあり、昨年大躍進したアイドルと言っても過言ではない欅坂46。「サイレントマジョリティー」や「不協和音」といった人気楽曲のパフォーマンスでもどこか思春期の屈折感や“大人はわかってくれない”感もあり、その独特の世界観でアイドルファンの注目を集めている。その一方で、冠バラエティ番組で見せる彼女らの屈託のない笑顔が、ブレイクを後押ししたのは間違いない。その躍進と共に評価されているのが欅坂46の冠番組MCの澤部佑だ。最近のアイドル躍進の裏には、AKB48なら『AKBINGO!』(日本テレビ系)、『AKB48 ネ申TV』(ファミリー劇場)、乃木坂46なら『乃木坂工事中』(テレビ東京系)といった冠番組の存在がある。そこで、今どきのアイドルたちと冠番組を支えるMC芸人の“切っても切れない関係”を振り返ってみよう。

【写真】紅白で内村光良と共演、欅坂46のパフォーマンス

■アイドルの躍進を支える冠番組とMC芸人の存在

 AKB48の番組『ネ申TV』は2008年(『AKBINGO!』と同時期)から放送開始され、初代MC(ムチャぶり伝道師)は有吉弘行。当時の有吉は“毒舌”と“あだ名づけ”で再ブレイクして間もない頃で、AKBメンバーもとことんイジられた。2代目MCのおぎやはぎにしても、得意のSっぽいムチャぶりが炸裂。既存のアイドルグループ枠をぶっ壊してきたAKBメンバーは、体を張ってしっかりと対応、バラエティ番組でも十分通用するアイドルとしての地位を確立した。

 冠番組と共に成長を遂げた代表とも言えるのが指原莉乃だ。『さしこのくせに~この番組はAKBとは全く関係ありません~』(TBS系)が始まった2011年には、“ヘタレキャラ”から総選挙TOP10入りし、翌年にはソロデビューを果たす。同年、スキャンダル報道でHKT48 への移籍を命じられるも、逆にそれをネタにするたくましさを見せ、翌年には総選挙1位を獲得。しかしそれは、“さしこ育成バラエティ”と銘打った同番組で、指原のキャラクターを世に知らしめたMC・土田晃之の存在も大きかったはずだ。その後も指原は、“盟友”フットボールアワー・後藤輝基や有吉などとの共演を通じ、今や数多くのバラエティ番組でMCを務める“日本一のバラエティアイドル”と言われるまでになった。

 グループとしての欅坂46は2017年、発売したシングル・アルバムがすべて年間CD売り上げランキングTOP10にランクイン。昨年末に発売した長濱ねるの写真集も、坂道シリーズ史上最多の初版12万部でスタートし、女性ソロ歴代2位の初週売上を記録した(1位は乃木坂46の白石麻衣)。そうした欅坂46の躍進の裏にも、やはり冠番組『欅って書けない?』の存在がある。


■クールな欅坂46から笑顔を引き出した澤部佑、ファンから称賛の声も

 2015年から続く欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京系)のMCに抜擢されたのは、“エリート芸人”とも揶揄される若手実力派のハライチ・澤部佑と土田晃之。澤部は2017テレビ番組出演本数ランキングでは7位にランクインし、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の人気企画「芸人ドラフト会議」では「可愛げがあり、イジってもイジられてもOK」、「誰と絡んでも番組を成立させてくれる」という声が上がるなど、視聴者のみならず芸人からの評価も高い。そんな“エリート芸人”澤部と指原莉乃の育成で実績のある土田、実力派芸人が2人体制で欅坂46の冠番組MCを担当しているのである。

 その澤部が番組では、「とにかくメンバーへの愛がある」と欅坂ファンからの絶賛を受ける。澤部は番組を回すというより、クールでおとなしく、トークがうまくないというイメージが強い彼女たちを笑わせることに尽力し、欅坂メンバーの新たな一面を引き出すことに成功した。特に神回とされる「モッツァレラチーズゲーム」(順に「モッツァレラチーズ」と叫び、前の人よりもテンション高く言えなかったら負けというゲーム)では、澤部の絶叫に欅坂メンバーは捧腹絶倒。「欅坂のメンバーをあんなに笑わせてくれてありがとう」と、澤部に対してファンからの賞賛の声が相次いだ。

 澤部の“愛”あるMCは、欅坂46の成長に一役買うだけでなく、「欅を見たくて見ている番組なのに、いつの間にか澤部に夢中だった」という意見が上がるほど、澤部は番組内で存在感を示すことにもなる。そんな“澤部の愛”はたびたび番組外でも炸裂。『週刊FLASH DIAMOND 2017年11月10日増刊号』での澤部のインタビュー記事。インタビューでは、「最初は全然しゃべらないし、暗いコたちの集まりだなと思いましたね(笑)」と本音を吐露するも、「それぞれの個性がわかってきてからは、うまくいじって、よさを出せるように頑張ってます。まだまだ秘めていると思うので、もっと魅力を引き出したいです」と語り、今ではメンバーが澤部に突っ込むという“成長”まで引き出している。


■十人十色の芸人魂でアイドルを“鍛える”MC芸人たち

 他のMC芸人の例を見てみよう。乃木坂46は、ライブにサプライズ出演したり、歌番組の応援に駆けつけるなど、かわいい妹の面倒をみる公式お兄ちゃんであるバナナマンに支えられて成長。乃木坂46の冠番組『乃木坂工事中』では、バナナマンの2人がリアクションや面白い立ち回りをレクチャーする場面もたびたび見受けられ、“コント職人”として乃木坂46のバラエティ力を育成中。バナナマンは、前身となる『乃木坂ってどこ?』から数えると5年以上“育成”に関わっており、乃木坂1期生メンバーの橋本奈々未(現在は卒業)は「番組が終わるドッキリ」を仕掛けた回で「バナナマンさんと会えなくなるのが嫌だ」と泣き出す場面もあり、乃木坂メンバーとの強い信頼関係が出来上がっていることも分かる。

 AKB48は、アイドル扱いをしない有吉やおぎやはぎなどに無理難題を押しつけられ、ある意味“めちゃくちゃ”にされ、スパルタ教育で鍛えられた。土田は必要以上の愛は与えず、推しも作らず、フラットな目線でアイドルを冷静に見ている。MC芸人のアイドルの“鍛え方”も十人十色だ。

 バラエティ番組はMCの芸人にとっても、どうやってアイドルたちの魅力を引き出すことができるのかが腕の見せどころであり、視聴者やファンたちもメンバーの失敗や成長を見守ることで感情移入できる。トークやリアクションで、笑いに関して素人だったアイドルたちのバラエティ力は向上し、MC芸人たちの人気もアイドルとともに上昇する。視聴者にしても、アイドルたちの思わぬキャラクターや魅力に惹きつけられ、“推し”が増えたり、ファン層が広がっていく。まさにアイドルの冠番組は、アイドルたちとMC芸人、視聴者・ファンたちの“ウィンウィン”な関係を築いているのだ。今後もこうした“共存共栄”は続いていくことだろう。

(提供:オリコン)
2018/1/25 08:40 配信

欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』のMCを務めるハライチ・澤部佑
欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』のMCを務めるハライチ・澤部佑