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「御朱印ブーム」住職が語る現状

 近年パワースポット巡りで神社やお寺を参拝し、「御朱印」を集める人たちが増えている。文具店では“御朱印帳”を見かけるようになり、一般的にも認知度が高まっている様子が見受けられるが、一体このブームはいつごろから始まったのか?

【写真】京都の常寂光寺でしか手に入らない珍しいイエローの御朱印

 調べてみると、2014年8月に朝の情報番組『あさイチ』(NHK総合)で“御朱印ガール”の特集が組まれたあたりから注目が集まるようになったようだ。そこから芸能界でも、相川七瀬、篠原ともえ、中川翔子といった女性芸能人から、麒麟の川島明など男性も御朱印を集めていることを明かしており、ブームに一役買っている。

 昔は寺社仏閣に行くのは、中高年というイメージだったが、近年、パワースポット巡りが流行ったことや、“インスタ映え”のために、若い女性が訪れることも増えた。それに合わせるように、神社や寺院も、若い人にも好まれるようにポップな御朱印帳を作りはじめた。そもそも、御朱印は何のためにあってどんなご利益があるのだろうか?

■ご朱印の種類によっては「ご利益」がないものも?

 その答えを知るべく、『古都京都の青もみじ御朱印めぐり』ツアーに協力している常寂光寺の住職・長尾憲佑さんに聞いてみた。

 「寺へ足を運び、本堂へ参拝して、その証しに御朱印をいただき布施をして帰る。この一連の行いをすることが重要で、”功徳”(編集部注:くどく。現世・来世に幸福をもたらすもとになる善行)があるものです。ただもらいに行くだけでは意味をなしません」(長尾さん)

 もともと御朱印は、お寺に写経を納めた証明書がわりにいただくもの。時代が移るにつれ簡略化され、お経を納めなくても“参拝の証し”としていただけるようになり、この慣習がお寺だけでなく神社にも広まった。

 また、御朱印をいただく際の料金だが、神社の場合は「初穂料」、お寺の場合には「納経料」として、300~500円程度を納めるのが一般的。その際に気をつけたいのが、「おいくらですか?」ではなく、「おいくらお納めすれば良いですか?」と聞くこと。御朱印は、お金を払って買うものではなく、お寺をお参りして、本尊と結んだご縁を「納める」ためにあるからだ。

■転売も横行!御朱印ブームの裏で目立つ「マナー違反」

 ブームということもあり、先述の長尾住職によれば、最近は若い層だけではなく海外の人も訪れてくれると語る。だが、その人気ゆえの一方で、転売を目的とする人も増えている。

 SNSを見ると、そうしたマナーを逸脱した一部の人たちの行為によって、とある社寺が「春限定御朱印会」の開催を中止にしたり、授与自体さえもやめたりするなど、“ファッション感覚”での御朱印あつめによる弊害も起きている。

 長尾住職は「実際にご参拝いただき、朱印を受けたものをSNSなどに投稿されるのは良いことだと思いますが、手順を省いて朱印だけを収集するのは控えていただければと思います」と注意を促す。

■集めたくなるのもわかる?ユニークな御朱印も数多く存在

 寺社によって、デザインも大きく異なる御朱印。とくに寺社仏閣の多い京都は、同じ場所でも数種類の御朱印があるなど、ツアーが組まれるほど人気の地域だ。京都の御朱印に詳しい人に伺ったところ、いくつかユニークなものを紹介してくれた。

 「宇治田原町にある正寿院(しょうじゅいん)では、ハート型の窓「猪目窓」の御朱印をいただくことができます。福を招くという意からご自身のお名前を入れて頂くことも可能です。また、世界遺産にも指定されている、宇治の宇治上神社(うじかみじんじゃ)では、御朱印の台紙の色が季節ごとに異なったものもあります。墨書きの他には金字を使用したものもあり、高級感を感じさせてくれます」

 直接的なご利益はないというものの、見ているだけで幸せな気分になれる御朱印の数々。集めたくなる人の多さにも納得だ。しかし、“御朱印ブーム”の広がりでマナーを知らずに“御朱印”を集めることだけを目的とした人も出てきたことから、ネットなどでは批判の声も上がっている。本来の意味を考え、清らかな気持ちで「御朱印あつめ」をしていこう。

(文・奥澤しのぶ)

(提供:オリコン)
2018/6/6 06:30 配信

御朱印帳あれこれ
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