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山下智久、コード・ブルーへの情熱

 2008年に連続ドラマとしてスタートした『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)の劇場版が7月27日に公開する。第一作から10年を経て主演俳優・山下智久(33)はどのように主人公・藍沢耕作を演じ、映画作品としての『コード・ブルー』に向き合ったのか。「最後のつもりで演っている」という山下が感じる藍沢の内面における変化やメインキャラクターを演じるほかの4人のキャストとの関係性など、撮影の間に行ったインタビューでその胸の内を語った。

【動画】劇場版『コード・ブルー』 予告映像

■映画だからこその『コード・ブルー』を模索「映画用の見せ方があってもいい」

 昨年末、撮影現場を訪れると、スタジオにはリアリティー溢れる『海ほたる』のフェリー内車両甲板が再現されていた。山下は何十台も並んだ車両の端っこのひとつに入って台本を読む。「このくだりは緊迫感があるシーンってのもあるし、この3日間くらいはあそこにこもってました。なんとなくあの後ろの端っこで、一人でずっと過ごしていましたね」と集中力を絶やさない環境でスタンバイしていた。

 映画では成田空港や海ほたるを舞台にした大規模事故が描かれる。カメラや機材などは連ドラの時とは変わるものの演技自体に特に意識していることはないそう。撮影前には白石恵役の新垣結衣、緋山美帆子役の戸田恵梨香、冴島はるか役の比嘉愛未、藤川一男役の浅利陽介と増本淳プロデューサーとで、トータル7、8時間にも及ぶ話し合いを行った。そこではストーリー展開について山下が「映画なので映画用の見せ方があってもいいのかな」と提案したという。

 「例えば映画の世界では『ドラえもん』のジャイアンがいいヤツになっちゃう…みたいな…映画として捉えたときに必要なんじゃないかと思った。キャラクターのブレが出てきちゃうかもしれないけど観てくれる人の環境が違うわけだから2時間を存分に楽しめる設定を重視したほうがいいのかなと。たくさんの人に届けたいというのが一番の目的なのでそのためにどういった手段をとるのがいいのか」とスタッフとともに、映画だからこそ描ける『コード・ブルー』の世界を模索していった。

 結果的には映画用に設定の改変は行わなかったものの、「僕も集大成のつもりでやっているので10年間演ってきたものに対して今の自分の感覚含めて伝えるべきだなと。5人それぞれ意見が違うけどみんなのバランスが一番いいところってなんだろうねと、ケンカするわけでもなく話し合って、お互いの心を知るきっかけにもなったし、それだけ想いが強いことがわかってよかった」。

 そんな5人の関係性を表すなら「親戚」。「なにもしゃべらなくてもそこにいることができる…、みたいな。楽屋で同じ夕方のニュースを見てああだこうだ言ったり(笑)。5人僕らの空気感があるんだと思いました。フェロー(有岡大貴、成田凌、新木優子、馬場ふみか)も溶け込むのも早かったし、彼らも僕らもいいタイミングで出逢ったんだなと」。

■藍沢は10年経て成長「誰かのために頑張れる男になった」

 映画として特別な設定の変更はないとはいえ、この10年間の集大成となる今回。連ドラでも大規模事故や災害は幾度も描かれてきたが、スクリーンで観ることを意識されたスケールの大きさはみどころとなっている。その一方で、5人の医師・看護師の日常を丁寧に紡いでいった同作だからこそ、藍沢の内面における成長は演じている本人も感じている。

 もともとは貪欲で野心家だった藍沢。そんな藍沢もさまざまな患者と関わることで「自分のために現場にいようということしかモチベーションのなかった男が誰かのために頑張ってみようと変化した。自分のためだけというのは限界があるんですよね。そこに『誰かのために』というのが加わればもっと頑張れると気づいたのかもしれないし、すごく成長したのかもしれない。誰かのために頑張れる男になった」としみじみ。

 「彼がよりたくさんの命を救うということをやっていることは変わらないけど想いが変わったんだと思います。スキルをあげるためだったのがスキルをあげることでもっと医療のレベルがあがる。そうすることでたくさんの人を救えるというところに行き着いたのかもしれないですね」。

 3rd season(2017年7月)では、翔北病院の脳外科のエースとなった藍沢はトロント大学への推薦候補にもあがっていたものの、人手不足に陥り未熟なフェロー(フライトドクター候補生)たちへの指導もままならない救命センターの窮状を目の当たりにしたことで、推薦獲得のための症例数稼ぎも兼ねる形で救命に戻ることとなった。「3rd seasoでは約10年間を通しての、先生として人間としての成長が明確に現れた」と振り返る。

 1st seasonの時と比べるとドクターヘリの認知度も向上。役柄を飛び越えて視聴者に届いたものは決して少なくない。10年を通して山下自身もまた役者としての成長を遂げている。

 「10年間やってきて病院で撮影していると周囲で生死をさまよう患者さんがいたりして、その時はなにもできないな、と。結局、まね事をしているだけだ、と落ち込むんです。でもその後、手紙などで『あなたのドラマを観て、息子がお医者さんになろうと猛勉強しています』といただくと、これが多分、僕らのやっていること、誰かを救うってことなのかなと思います。情熱が燃え上がってきました。存在する意味はそういうところにあるんだと自信を持ってしっかり取り組んでいくことが自分にできることなのかもしれないですね」と前を向いた。

(提供:オリコン)
2018/6/1 06:00 配信

『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の予告映像が公開 (C)2018「劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の予告映像が公開 (C)2018「劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会