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“尻トレの女神”が語る筋トレ論

 パーソナルトレーナー・岡部友。女性らしいボディラインを競う『Fitness Angel』を主催し、美尻ブームを牽引する“尻トレの女神”だ。ヒップメイクを中心に、ボディメイクの重要性を説くが、「筋トレでやせてキレイになって人生がすべてうまくいく、という発想は間違い」と近年のフィットネス人気に警鐘を鳴らす。ブームの今だからこそ、筋トレの本質を伝えたいと話す彼女に、その半生とトレーニング論を聞いた。

【写真】”尻トレの女神”が究極のヒップラインを披露 衝撃の筋トレシーンも公開

■英語力ゼロで単身渡米、そのときの小さな成功体験が自信になった

「筋トレをするようになったのは高校時代。小学4年生からやっていた陸上競技のパフォーマンスを上げたくて。野球部や陸上部の男子ばかりですごく暑苦しい、公立の学校の錆びついたウエイトルームでベンチプレスをしてたんです」

 グラマラスな見た目とは裏腹に、自身でも「男勝りな性格」と話す岡部。それは、トレーニングを始めた頃から変わらない。ウェイトルームに女の子はひとりだったというが、周りの目は一切気にならなかった。

「放課後は陸上の練習をしたいから、お昼時間を利用してトレーニングしてましたね。お弁当を3時間目の授業のあとに食べて、4時間目が終わったらウェイトルームにまっしぐら。友達も“友は筋トレの時間だよね”って受け入れてくれていました」

 高校を皆勤賞で卒業後、スポーツトレーナーになるという夢を実現するため、フロリダ州立大学へ進学。パフォーマンスの効率化を追求するため“スポーツ科学部で筋肉に関する専門的な知識を身につけたい”その一心で、英語も話せないまま、ひとり海を渡った。

「英語力はほぼゼロ。たまたま自分の勉強したいことが、その学校のその学部にあったから選んだんですが、向こうに行ったら、言葉が通じない、わからないことがすごく辛くて…。半年くらい泣いてましたね(笑)」

 乗り越えるためには、ただ話すしかなかった。半年経つころには、少しずつ上達し、コミュニケーションがとれるようになっていった。そして、大学在学中にプロアスリートに指導できるスポーツトレーナーが保持する資格NSCA-CSCSを取得する。

「それが小さな成功体験として自信になりました。今でもしんどいことがあると、このときのことを思い出すんです。『それでもできたんだから、大丈夫!』って」

■スポーツトレーナーからパーソナルトレーナーへの転換

「スポーツトレーナーを目指していた私が、トレーニングに対する進路を大きく変える出来事があったのは、20歳のとき。成人式のために日本に一時帰国した際、髪型もメイクも服装も同じような女の子ばかりが目についたんです」

 日本の女の子たちは、世の中で可愛いとされているスタイルに合わせているだけで、自分がないように見えた。他人からの評価を重視するあまりクローン化してしまった彼女たちが、自己を確立するには、自信をつけることが大事ではないか? トレーニングで自分の身体と向き合い、自分の努力で見た目を変えることができたら、きっと大きな自信につながる……。

 大学に戻るとスポーツ科学部からフィットネス学部に転部。フィットネスにまつわる心理学や運動生理学を学びながら、パーソナルトレーナーとしての知識を身につけた。

「専門的な勉強をしながら、自分の体を使って研究を重ねました。欲しい部分にボリュームを出すにはどうしたらいいか、まずは体重を絞りました。食事制限もして、(身長172cmで)63kgくらいあった体重は49kgに。その間、水泳以外、筋トレはもちろんランニングも一切せず、ほぼ座りっぱなし。筋肉がなくなって、ただガリガリになった体がキレイに見えないこともわかっていたけれど、一度、筋肉も脂肪もない体を作ってから、どう変わるか試してみようと思ったんです」
 
 トレーニングで変えられない部分があることも、この時に学んだという。

「実は、自分のふくらはぎの形がコンプレックスで…“なんで私のふくらはぎはこんなに大きいんだろう。もう少し小さくて女子らしい、速そうな脚になりたい”と思っていたんです。でもトレーニングしても理想の形にはならなかった。父のふくらはぎを見てみたら、(大きさや筋肉のつき方が)私と一緒。“これは遺伝か”って(笑)」

 遺伝や骨格など、努力ではどうにもならない部分がある。一方で、努力すれば理想までもっていける部分もある。さまざまなアプローチから、女性が美しく見えるボディメイクのメソッドを確立し、帰国後、女性専用のトレーニングジムを開設した。

■トレーニングで外見がキレイになるのは“おまけ”

 女性らしいボディライン作りに“尻トレ”は欠かせないという。ジムでは岡部が考案した「Glutes in Action(お尻を起こそう)」というオリジナルのヒップトレーニングメソッドを中心にボディメイクを指導する。期間限定のダイエットのためのトレーニングは推奨していない。体重に縛られることなく、健康でいられる身体作り、美しいラインになるためのサポートを行うのが信条だ。

 自身の著書『筋トレが折れない私をつくる』にも“伝えたいのは、自分の力で自分の理想までもっていく、というトレーニングの過程で、心を鍛えてほしいということ。外見がキレイになるのはおまけ”“トレーニングは自分らしく生きる力をつけるための手段”と記す。

「せっかく新しい自分になるためにトレーニングを始めても、なぜするのかという根底がしっかりしてないと、続かない。ダイエットジプシーにならないためにも、まずは心をしっかりさせることがとても大切なんです」

 トレーニングでやせたら“モテるようになる”“人生すべてうまくいってハッピーになれる”といった、多くの女性が抱きがちな幻想も真っ向から否定する。

「最近のフィットネスブームはとても嬉しいこと。でも反面、間違った姿勢で取り組んでいる女性が多いようにも感じ、不安を覚えています。トレーニングでやせても人生がすべてうまくいくわけじゃない。人生うまくいかない時に乗り越える力をつけられるのがトレーニング。辛いことや大変なことが人生で起きても逃げずに乗り越える力をつけておく、自分と向き合う練習ができるのが身体づくりです。

 これから挑戦する方には、ぜひ心身を正しい方向に導ける専門知識のあるトレーナーを見極めて欲しいと思います。そして、最初は誰かのようになりたいとか、そういうモチベーションがきっかけでも、行動に移したあとは、他人と比べないこと」

 以前の自分と比べて今の自分がよくなっているか、客観視することがトレーニングを成功させる秘訣という。そして、そこから得た自信の積み重ねが“自立心”を作り、心を鍛える。日本に自立女子を増やすことが“尻トレの女神”の願いだ。

(提供:オリコン)
2018/6/29 08:40 配信

美尻ブームを牽引するパーソナルトレーナー・岡部友。撮影/臼田洋一郎 (C)oricon ME inc.
美尻ブームを牽引するパーソナルトレーナー・岡部友。撮影/臼田洋一郎 (C)oricon ME inc.