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クイーン、ブーム再来の鍵はSNS?

 先ごろ発表された『オリコン上半期ランキング 2019』の「アーティスト別セールス」部門(※)で、期間内売上26.2億円を記録したクイーンが3位にランクインした。今をときめく、乃木坂46(1位/44.2億円)、King & Prince(2位/27.9億円)に次ぐこの順位は、快挙と言って過言ではないだろう。好セールスの要因はもちろん、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの生きざまを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットだ。その陰には、観客やファンの感動を呼び起こし、寄り添う、巧みなSNS展開があった。

【写真】SNSで盛り上がった「細かすぎて伝わらないボヘミアンラプソディ好きなシーン」の投稿(抜すい)

◆「胸アツ」をキーワードに、観た人が盛り上がれる場を提供

 昨年11月9日に日本公開された『ボヘミアン・ラプソディ』は、最初の週末3日間で動員33万8000人、興収4億8700万円を記録し、興行通信社の「映画興行成績ランキング」1位に初登場。その後も、18週連続でTOP10入りするなど、驚異のロングヒットを記録し、『E.T.』や『アルマゲドン』に次ぎ、歴代興収ランキング16位(130.4億円/19年7月7日現在)につける大ヒットとなった。

 映画は公開から半年を過ぎた今なお公開中。息の長いヒットの理由として、クイーンと日本との関係の深さ、相性の良さがあるのは大前提だが、SNSの展開のうまさが、1つの起爆剤となったのではないかと、Twitter Japanのシニア・リサーチマネージャー佐藤建一郎氏は分析する。

 本作の最大の見せ場は、ラスト21分を飾る『ライブ・エイド』のパフォーマンスだ。20世紀FOXの公式(@BohemianMovieJp)では、その感動や興奮を集約し、共鳴しやすいハッシュタグ「#ボヘミアン胸アツ」を公に設定したことで、熱量たっぷりの感想コメントが投稿された。

「エンタテインメントのなかでも、映画は特に感情を揺さぶられるもの。Twitterでも自分の感情を誰かと共有したい人が多いはずです。公式が受け皿となるようなハッシュタグを用意することによって会話が盛り上がる、ということはよく言われていますが、今回は『胸アツ』というワードが絶妙でした。ファンが語りやすい場をきちんと提供できていたことが、話題拡散のポイントになったのではないかと思います」(佐藤氏)

◆ディテールに凝った映画だからこそ実現した、ユニークなキャンペーン

 通常、ビッグタイトルでもツイートボリュームは公開1~2週が山となり、あとはなだらかに下降していくケースが多いという。しかし、本作は11月9日の公開タイミングで山を作った後、11月下旬から12月中旬にかけて、再度大きなツイートの山を作った。これも巧みな戦略が奏功していると佐藤氏。

 公式アカウントでは、人気楽曲の決定やオリジナルグッズのプレゼントなど、公開中さまざまなキャンペーンを展開。なかでも、佐藤氏がうなったのが、ツイートボリュームで2つ目の山が作られた辺りで実施された、「#細かすぎて伝わらないボヘミアンラプソディ好きなシーン」の投稿キャンペーンだ。

「この映画は、衣装やセット、ライブシーンまでディテールにこだわって作られた作品。もともと、話題にしたくなる高いポテンシャルを秘めた作品であったこともさることながら、それを活かしたキャンペーンを仕掛けることで、映画を観た人にまた新たな発見をさせ、会話を盛り上げています。12月の中旬くらいまで盛り上がりを作れたことで、お正月の映画商戦にも良い形で入っていけたのではないでしょうか」(佐藤氏)

 今回の『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットは、クイーンを知らない若者世代も巻き込んだことが大きい。そういう意味でも10代、20代がメイン層となるTwitterをはじめとするSNS展開の妙が“第3次クイーンブーム”を作る一助となったと言えそうだ。

※アーティスト別の音楽ソフト(シングル、アルバム、音楽DVD・Blu-ray、デジタルシングル(単曲)、デジタルアルバム、ストリーミング)の総売上金額を集計したもの。期間は、2018年12月10日(12/24付)~2019年6月9日(6/17付)

(提供:オリコン)
2019/7/12 08:10 配信

映画のヒットを起因に、クイーンブーム再来。『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』も好セールスを記録した
映画のヒットを起因に、クイーンブーム再来。『ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)』も好セールスを記録した