FMK エフエム・クマモト

社史

『選別される生命(いのち)~出生前診断が映しだす現実』が平成10(1998)年日本民間放送連盟賞のラジオ教養番組部門で最優秀賞。コンピューターのレベルアップほぼ完了。聴取率は6年連続トップ。

主な出来事

『選別される生命』が民放連賞で最優秀賞

遺伝する疾患の有無を調べる出生前診断について伊井純子が知ったのは、番組『子供たちがくれた勲章』を取材中の平成3(1991)年のことだった。
重篤な病で予後が悪く、遺伝性であることから、将来発症するかどうかを診断してもらう・・・というもので、結果を苦にして自死するケースがあるなど、診断がもたらす絶望的な気持ちや苦しみを知り、「安易に受けることはできない」と痛感。その後、簡易な血液検査で遺伝病のスクリーニングを行う出生前診断が日本でも導入され普及しつつあると知り、取材を始めた。
ほとんどの妊婦は〝胎児に異常がないことを確認したくて〟検査を受ける。しかし、結果次第では、授かった赤ちゃんを産むか産まないかを親自身が決めることになる。にもかかわらず〝異常がある可能性〟については想定すらしていないケースが多い。ましてやその後、確定診断のために行う羊水穿刺のこと、その結果〝命の選別〟をすることになるかもしれないことにまで思いが至っていない。
そんな状況に危機感を持ち、これから親になる世代の若い人々に問題意識を持ってほしい、と伊井は制作にかかった。
番組は、受精卵遺伝子診断の臨床応用を申請中の大学教授など出生前診断について研究する大学教授や医師、その内容に疑問を持ち反対している市民グループ、治療法が見つかっていない障害を持つカウンセラーなどへのインタビューで構成。平成10(1998)年5月20日午後8時から43分間、オンエアした。
「結論は出ないまでも、2つの意見を突き合わせながらという作り方はシンプルで(略)とてもいい」(下重暁子=エッセイスト)
「遺伝しようが、しまいが、受胎したところには命がある(略)その子が生きることを望んだということ。(略)この問題と科学の発達というのをどういう形でこれから我々が議論していったらいいのか。これは1回で終わってしまってはいけない。今回は正に導入部でしかない」(藤竹暁=学習院大学教授)
などの評価を受け、最優秀賞を受賞。『子供たちがくれた勲章』に続く2度目の最優秀賞受賞となった。

第一種認定点検事業者に

平成10(1998)年6月、FMKは第一種認定点検事業者に認定された。
各地方の総合通信局が実施している無線局の落成検査や定期検査、変更検査を民間に開放する制度。認定の条件として、第一級陸上無線技術士が所属していることや、使用する測定器は毎年1回、公的な機関で較正を受けなければならないこと、点検は業務実施方法書に基づいて行わなければならないーなどが規定されている。
認定を受けたFMKはこれ以後、無線設備の点検等を自ら行い、その結果を免許人に通知し、総合通信局に書面で報告した。
その後、認定制から登録制に変更され、FMKは登録点検事業者になった。

鉄塔から「FMK」の看板撤去

開局時から本社屋上の送信用鉄塔には「FMK」のロゴの三文字を一つずつ切り分けて縦に並べた看板を取り付けていた。
しかし平成10(1998)年、熊本市の景観条例に基づき、鉄塔の看板をとりはずした。

この年の出来事

4月
  • 第54回ベネチア国際映画祭、金獅子賞受賞作品「HANABI」北野武ギャラリーを鶴屋で開催
7月
  • JFN賞
    • 第1部門最優秀賞・制作者審査員賞「騎手の本音」(荒尾けいば)
    • 第1部門最優秀賞・ジャックス賞「最低のカード」(ジャックス)

    を受賞

8月
  • 第7回冒険ロマンチスト大賞に西橋由美氏(岸朝子講演会開催)
10月
  • ACC賞 奨励賞「騎手の本音」(荒尾けいば)を受賞
  • 「選別される命~出生前診断が映し出す現実」が日本民間放送連盟ラジオ教養番組部門最優秀賞を受賞
11月
  • 「FMKレーナ・マリア・コンサート~感謝の気持ちを未来へ~」を県立劇場で開催
  • 「ピョートル・ドミトリエフ・ピアノリサイタル」を熊本テルサで開催
12月
  • 「阿蘇クリスマス・バルーンイリュージョン」(25日21時~21時55分)を放送
1月
  • くまもと未来国体イヤーオープニングフェスタ「マルタ、森口博子コンサート」を開催
3月
  • 「選別される命」制作者の伊井放送部員が放送ウーマン賞と放送文化基金賞を受賞
  • EDPSを全面更新
  • FMKコンピレーションアルバム「力」発売