FMK エフエム・クマモト

社史

20周年で『MISATO 20 RADIO MIX』『GOLDEN RADIO STATION』など特番を放送。CMで日本民間放送連盟優秀賞、ACCファイナリスト賞、JFN賞最優秀賞を獲得。『防災ハンドブック』作成。オーディオファイル更新。共同聴取率調査は4期連続3冠。

主な出来事

社名変更

平成17(2005)年、創立20周年を迎え、社名を『エフエム熊本』に変更した。
開局のとき、『エフエム熊本』の社名でスタートしようとしていたが、いち早くFM電波割り当てを察知して既に『エフエム熊本』の名称が商号登記されており、やむなく断念したいきさつがあった。
『エフエム中九州』の名称で19年間、県民に親しまれ浸透してきた一方で「どこの放送局か分かりづらい」などの指摘もあった。JFNグループの他局もごく一部を除いて県名を使用している。それらの事情から「熊本の放送局という明確なアイデンティティを確立しよう」という機運が高まっての社名変更だった。

渡辺美里TEAM RADIO MIX

平成16(2004)年のある日、久しぶりに渡辺美里がキャンペーンで来局。談笑する中で、彼女がポツリともらした。「実は私、来年がデビュー20周年なんです」
FMKスタッフが応じる。「寄寓ですね。FMKも来年20周年を迎えます。何か一緒にできればいいですね」
『チーム美里』がやる気満々なのを感じて、FMKスタッフも大乗り気。話は一気に進んだ。
平成17(2005)年4月、自社制作番組『FMK MISATO 20 RADIO MIX』がスタート。毎月1回、渡辺美里が熊本にやってきてFMKから生放送という贅沢な番組である。1回目の放送前、FMKスタッフが渡辺美里を熊本城天守閣へ案内。天守閣からの景色を見た美里は「ここでライブできたらいいよね」とつぶやいた。
好評のうちにアッという間に1年が過ぎても、番組は終わらなかった。平成18(2006)年4月からは『FMK MISATO TEAM RADIO MIX』にタイトルを変えて継続。その間、渡辺美里の〝つぶやき〟が実現に向けて動き出す。

個人情報保護法でマニュアル作成

平成17(2005)年4月1日、個人情報保護法が全面施行された。5000件以上の個人情報を所持し事業に用いている個人情報取扱事業者が対象で、罰則もある。前年11月には所轄官庁である総務省九州総合通信局の説明会も実施された。
FMKは企画部を中心に基本指針や安全管理内部規定など個人情報保護方針を策定。これを基に放送部では放送上の取扱い等の諸規定を整備し、出演者との個人情報取り扱いに関する契約を取り交わした。

開局20周年記念特別番組

平成17(2005)年5月、新生エフエム熊本が総力をあげて『GOLDEN RADIO STATION feel the music,together』を制作・放送した。
びぷれす広場に特設ステージを設け、5月2日(月)から6日(金)まで5日間連続、合計45時間を超える特別生ワイド番組である。徹底的に音楽にこだわった編成。毎日会場に集まったリスナーのこれまでの音楽人生のスタートとなった楽曲を「魂の一枚」と称して紹介し、多くのメッセージやリクエストもちりばめた。豪華ゲストも続々登場し、期間中、びぷれす広場は大変な賑わいとなった。
◇ ◇ ◇
5月2日(月)THEイナズマ戦隊(上中丈弥)、HIGH and MIGHTY COLOR
5月3日(火)大友康平
5月4日(水)テイ・トウワ、Think Think
5月5日(木)加藤ミリヤ、一青窈
5月6日(金)渡辺美里、laiCa breeze

スマイル・ドライブ・キャンペーン

「近頃、運転中に救急車とか消防車なんかが近寄ってきても、道を譲らない車が多いよなぁ」
「景気が悪いから、人のことには構っていられないのだろうか」
創立20周年を迎えた平成17(2005)年、社内でそんな会話がしきりに交わされるようになった。社内だけでなく、周りからも「同感」という声が・・・。ぎすぎすした世の中、それが交通社会にも表れていた。
そんな中で生まれたのが『スマイル・ドライブ・キャンペーン』である。ラジオの特性を生かし、「やさしく運転しましょう」「交通ルールを守り、交通社会でもジェントルマンシップを発揮しましょう」というメッセージをキャンペーンとして発信する。年度ごとにテーマを替え、20秒メッセージと、60秒の番組内ショートコーナーを設けてロングランキャンペーンを目指した。
リスナーや広告主にも好評で、以後テーマを替えながら連綿と続いている。

ブログ導入・ポッドキャスト開始

平成17(2005)年7月18日~20日、天草郡有明町の四郎ヶ浜ビーチから特別番組『FMKシーサイドステーション』を放送。その様子を写真に撮ってリアルタイムで紹介するため、試験的に番組ブログを導入した。
それまでは、インターネット上に情報を上げるには制作会社で更新する必要があったが、ブログなら日記のようにリアルタイムで更新でき、制作スタッフによる運用が可能。
そこで、同年11月から各生ワイド番組を中心として番組ごとにブログを立ち上げ、その日のテーマやオンエアの様子などを写真もあわせて紹介し始めた。現在では、番組ブログを番組サイトにしているものもある。
また、インターネット上で音声ファイル、動画ファイル形式のコンテンツを配信するポッドキャストをブログで展開できることから、平成17(2005)年11月にチャート番組『FMK HOT100』」でその週のチャートを紹介する音声コンテンツを試験的に配信。平成19(2007)年4月からは『FMKポッドキャスト』という専用ブログを設置し、『黒木よしひろの302号室』で専用コンテンツを継続的に配信するようになった。
その後『月刊行定勲』や『FMKパンゲア!』内のコーナー『時事ダイヤリー』、『キャンパス・キュリオ』などで番組の一部もしくは全部を配信するなどコンテンツも増え、放送エリアや放送時間にとらわれずFMKの番組が聴けるようになっている。

「BENNIE K」ライブ

平成17(2005)年8月11日、FMK開局20周年記念野外ライブ『第28回火の国まつりオープニングステージ BENNIE K』を熊本城二の丸広場で実施した。
シンガーYUKIとラッパーCICOの女性ユニットで、この年の6月に発売した『Dreamland』が、コカ・コーラのCMキャンペーンソングに採用され大ヒット。ベストなタイミングでの出演となった。
熊本の夏を彩る火の国まつりの開幕式典とオープニングステージは、第21回からFMKが運営を任された。前回までは交通センターのセンターコートなどで開催していたが、この回から熊本城二の丸広場に移し、芝生広場に特設ステージを設けた。
会場を埋めたリスナー・ファン(熊本市の発表で約7万人)は、彼女らの歌声とリズムに合わせ、ステージと一体となって盛り上がった。

防災ハンドブック

平成17(2005)年9月、開局20周年企画として、全56ページの小冊子『防災ハンドブック』を制作した。
阪神淡路大震災の発生からちょうど10年、また、平成11(1999)年には大型の台風11号が九州地方に甚大な被害をもたらすなど防災、減災への意識が高まっていた。
地震や津波、台風、洪水などの自然災害に対しては、自らが常に防災、減災に対する意識を高く持ち、〝自助〟防災を心がけておくことが大事である。
ラジオ局として、地域の防災情報の発信は重要な役割だが、放送するだけでなく、リスナーや県民のために、何か手元にあっていざというときに役立つものは作れないかと検討を重ね、他の例も参考に作成。地震や風水害など、自然災害の発生メカニズムなどを解説しながら、災害が発生した場合にどう行動したらいいかなど、簡潔で分かりやすく記載することをポイントに置いた。
11万部を発行。このうち、10万部を熊本県に寄贈、県内各市町村を経由して配布された。

CM素材のMO搬入

CM素材をMOで搬入するケースが増えてきた平成17(2005)年、MO素材の再生装置を導入した。
CM素材はオーディオファイル(DAF)に登録するが、当時のDAFではMOを読み込むことが不可能だった。同装置はMOという記録メディアとDAFをつなぐ役割を担った。この年、MO素材の統一規格であるBWFーJフォーマットに対応するDAF装置に更新したため、MO素材再生装置の役割は短期間で終了した。

オーディオファイル更新

平成18(2006)年3月、オーディオファイル(DAF)を更新した。FMKのDAFとしては3代目である。
DAFは、録音した番組やCMをデジタル的に保存するもので、ラジオ局にとって不可欠な装置。この更新により保存可能容量が飛躍的に大きくなった。番組やCMのほか自社の生放送で使うジングル(効果音)、コーナーBGMなどの素材も保存が可能。
また、各スタジオではDAF専用端末を使って、番組内で素材を再生(それまではMDなどを経由)している。この端末は番組やCMの波形編集や、DAFへの素材登録もでき、文字通り〝テープレス〟である。

この年の出来事

4月
  • 社名を「エフエム熊本」に変更
  • コンセプトワード「サプライズ!FMK」がスタート
  • 開局20周年記念誌「感動はラジオにのって」発行
  • 「FMK MISATO 20 RADIO MIX」放送スタート
  • 開局20周年記念特別番組「レミオロメン×FMK 春夏秋冬」スタート
  • 個人情報保護に関する諸規定を策定
5月
  • 開局20周年記念特別番組「GOLDEN RADIO STATION」を5日間連続で、びぷれす広場から公開生放送(2日~5日12時~19時55分)
7月
  • JFN賞CM部門第一部門で「ノーキャディ・システムのゴルフ場」(見上カントリークラブ)が、最優秀賞受賞
  • 「FMK SEASIDE STATION」10回目の放送
  • 九州東海大学開学40周年記念公演「ソフィア合唱団熊本公演」を開催
8月
  • 「FMK COOL SHOT BAR」(鶴屋屋上ビアガーデンで開催)スタート
  • 第28回火の国まつりオープニングステージ「FMK BENNIE Kライブ」を熊本城二の丸広場で開催
  • 熊本城築城400年祭500日前イベント(出演:テディ池谷 他)、くまもと夏のお城まつり「FMKサマーライブ in 熊本城」(出演:サスケ、松千)を熊本城宇土櫓前で開催
9月
  • 開局20周年企画「防災ハンドブック」発刊
  • FMKスタッフオーディションを実施
  • 「カラーズ」を結成
10月
  • 開局20周年記念「FMK プレミアムナイツ in Denkikan」を7夜連続で開催(29日~11月4日)
  • 「ノーキャディ・システムのゴルフ場」(見上カントリークラブ)が日本民間放送連盟CM部門ラジオ第一種優秀賞を受賞
11月
  • 開局20周年記念番組「この星を旅しよう」を放送
12月
  • 開局20周年企画「ガマダス商事株式会社 パンもGAMADAS」を実施、リスナーと共同開発したオリジナルパンを発売
  • 熊本民放CM協議会編集の「CMハンドブック2006」を発行